「若菜集」

相思

髪を洗えば紫の

小草のまえに色みえて

足をあぐれば花鳥の

われに随う風情あり

 

目にながむれば彩雲の

まきてはひらく絵巻物

手に取る酒は馬酒の

若き愁いをたたふめり

 

耳をたつれば歌神の

きたりて玉のふえを吹き

口をひらけばうたびとの

一ふしわれはこひうたふ

 

ああかくまでにあやしくも

あつきこころのわれなれど

われをし君のこいしたう

その涙にはおよばじな      「若菜集」

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posted by hosi at 07:07 | 東京 ☀ | 読書感想文