鈴虫

鈴虫とは秋の季語ではあるが、寺田寅彦の本で 牛頓先生俳句集の中で 今の季節に
ぴったりあった 俳句がないものかな と 探していたら

「レール朽ちて 鈴虫鳴くや 旧路線」 


というのがあった。かつては汽車が走っていた線路ではあるが 
近代的な列車が近くの路線を走るようになっていてレールも今では朽ちている。 そこを通勤でとおりすがら夕方に帰宅にかえる途中ふと横目で
観てしまう。 錆びたレールの周りには それでも鈴虫たちが オーケストラを奏でている。

虫たちは 何がそんなに近代化がいいものか。 これが本当に生きているということなんだよと 言っているみたいだ。

「風呂に 入れば 小窓に 秋の海 寒し」  


日本海の海岸段丘に住む 通勤のある男の秋の日の夕暮の光景である。

                        ア、秋 太宰治

posted by hosi at 17:54 | 東京 ☀ | 読書感想文